GMPにおける「重大」と「重要」の使い分けは?

投稿者: | 2016年10月7日

私達が普段使っている「重大」と「重要」ですが、意味の違いをそれほど意識せずに書いたり話したりしています。しかし、GMPのような法律の解釈においては、すこしこだわる必要があると思います。

GMP省令は日本語で書かれていますので、「重大」と「重要」がどのように扱われているのか分かりませんでした。そこで、PIC/S GMPとその英語訳を照らして、「重大」と「重要」が英語のどの用語を表しているのかを調べてみました。

その結果、おおよそ次のように考えられます。

重大:significant/significance
重要:critical & important/importance

ただし、どちらも”significant”を「重要」と訳していたり、”critical”を「重大」と訳している箇所が複数あります。(ここからは下衆の勘繰りですが)その数から察して、最終稿で変換し残しがあったのではないかと思われます。私は個人的に、当局は”siginificant”を「重大」、”critical”や”important”を「重要」と表現していると推論しました。

ところで、PIC/S GMPの日本語訳「…いかなる重大な逸脱も完全に記録され調査されること」を、または、省令の「重大な逸脱が生じた場合…品質部門に対して文書により報告すること…」を現場ではどのように解釈しているのでしょうか。

以前、ある欧米の知り合いから「逸脱報告の数が少ないように思う」と聞かされたことがあります。欧米では、基本的に逸脱は全てQAに報告されます。その人は、「逸脱が選択されて報告されているかリストされている」というようなニュアンスで話していました。思い当たらないでもありません。

逸脱は全て記録しなければならないので、記録はあります。そこから報告される逸脱が仕分けられるとすれば、その基準となるキーワードは”significant”です。

もしかしたら”significant”という言葉が、狭い範囲で解釈されていないか懸念されるところです。

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